404杯(仮)
お題
博物館でしか働けなくなった女
ドータクンの来世さんの作品
女の同級生A「ひろ子は元々活発な子でね。小学生の頃から一緒だったんすけど。よく一緒に悪さして先生に怒られてましたよ。でも、その時から将来は博物館でしか働けない女になるって。ハハ(笑)。当時はよく言ったもんですよ。「なんでやねん」ってね。なんだよ。有言実行したんすか、あいつは(河原の石を蹴飛ばす)」

同級生Aは仕事中にも関わらず気さくに取材に応じてくれた。特殊な業界で働く同級生A。彼はその中で、こんな本音も漏らしていた。

「ああくそ、「なんでやねん」は俺の方だ。


同級生Aは今、動物園で動物として飼われている。いったいなぜ?河原の石は一体どこから?取材班は核心に迫ろうとする。すると、

「すみません、そろそろいいですか。こんなに喋ってるとまた園長に怒られる」

そう言って同級生Aは話を切り上げてしまった。言語を必要としない、愛玩動物としての仕事。
ふれあいコーナーでただ1匹、誰にも触れられることなく鳴き続けるのだ。

「なんでやねん」

彼の鳴き声が、コーナーの中や動物園、果ては世界中にこだまする。
間違っているのは彼なのか、社会なのか、鳴き声なのか。
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2点かたくりこな
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