| 大喜利とは | |||
| お題 | |||
 写真で一言 | |||
| 根岸さんの作品 | |||
| ステンレスボウル2つを球体になるように組み合わせ、繋ぎ目の一箇所をテープで留めたらそこが後頭部、反対側には口が現れ、その面に目と鼻と耳の形をしたシールを貼り付け、作った顔。口を開くように動かせば上顎に付けた割り箸がバネを押し、そこに繋いである銅板が震えて、ビヨンビヨンと発声する仕組み。これがアリシア11歳、初めてのボーイ・フレンド。名前はサミーと言った。 小さな頃からアリシアは随分な引っ込み思案で、友達も少なかった。しかし人への興味は人一倍強く、周囲の観察や、みんなの話に耳を傾けるのが好きだった。小学校の高学年になり、周りの皆が「リサがこないだ他の学校の男子とキスをしてた」とか、「ミアとジャンは付き合ってる」だとか噂話をするようになると、彼女は恋愛とはどんなものなのか興味を持った。しかし実際に誰か恋人になってくれそうな人を探し、仲良くなるのは私には難しい。それで彼女はサミーを作ろうと思ったのだ。 学校から帰るとアリシアはサミーに、その日学校であったこと、家族との思い出話、最近知ったことや好きな本の話などをした。家族は人形ごっこ程度のものと思い、微笑ましく見守っていたが、二人は時にキスなどもしていた。 はじめは顔だけだったサミーだが、アリシアは彼のことをどんどん「いい男」にしてあげた。フェルトで髪の毛を作り、丸太で身体を作り服を編み、口にスピーカーを仕込み、金属を弾く音以外の言語も扱えるようにした。やがて思春期に差し掛かるにつれ、彼女の開発力、そして他者の体への興味は段々と高まっていった。 ミドルスクールに上がる頃に、ついにアリシアはペニスを作った。 庭のマツから太めの枝を切り落とし、ナイフでその分枝と樹皮を剥ぎ、保健体育の教科書やクラスで耳に挟んだ話を参考に、先端に丸みを帯び、末端に2つの球を持つ筒状のそれを作った。 しばらくドキドキしながらそれを眺めたが、次第にそれは恐れを纏った胸騒ぎに変わり、サミーの股間にあてがうと瞬間、罪悪感と違和感が襲い、アリシアはすぐにそれをカバンに忍ばせて、翌日朝一番で学校に行き、誰にも見られないよう焼却炉に投げ込んだ。それっきり、彼女はサミーを成長させるのをやめた。この時、ペニスをあてがって生じた罪悪感の正体は色々思い当たったが、違和感についてはすぐには答えが出せなかった。 二年次に上がって最初の体育の授業、ジェニーという女子が柔軟運動をしてるのを見た時、アリシアは見てはいけないものを見た、という気持ちになった。その後の授業中もずっと、芝生に横たわるジェニーの脚部の映像が脳裏に焼き付いて離れなかった。家に帰ってもその光景が忘れられないので、気を紛らわせるためサミーと話そうとして向き合うと、あの時のフラッシュバックが彼女の脳裏を侵犯した。罪悪感や不快感、違和感で気持ち悪くなってしまうため何とかしようと、彼女はサミーを押し入れの奥深くにしまって、目に入らないようにした。その日以降、サミーと彼女とは完全に距離が出来てしまった。 それから暫く経ったある日、アリシアがベンチで本を読んでいると、ジェニーが話しかけてきた。どうやらアリシアが読んでいた小説の作者のファンで、気になって話しかけたらしい。突然話しかけられたことでアリシアはしどろもどろになったが、幸い彼女もこの作者の作品は殆ど読んでいるので、会話は弾んだ。何て幸せだろう、アリシアは心の中で幾度となく叫んだ。この日以降、二人は急接近することになった。 読書以外にも編み物、彫刻など共通の趣味があり、音楽の好みも似ていた。二人は何処へ行くにも何をするにも一緒になった。とことん気が合ううえ、その艶やかな肌が彼女の動作全てに色気を纏わせるので、日毎にアリシアはジェニーに惹かれてゆき、そしてサミーにペニスをあてがった時に感じた違和感、その正体とはつまりジェニーと恋に落ちるための防御反応だったのだと理解した。私に必要なのはペニスを携えたボーイ・フレンドではない、ただジェニーだけなのだ。アリシアはこのとき、これが初恋であることを自覚した。 そんなある日、2人がいつものベンチで話していると、写真部の少年が彼女達に話しかけた。なんでもベンチで話すふたりの雰囲気がコンクールのテーマにぴったりだから撮らせて欲しい、とのことだった。アリシアは少し照れくさかったが、ジェニーがすぐに了承したので、自分と写真を撮ることに前のめりなのが嬉しくて、もちろん、あたしもいいわよ、なんて言ってジェニーの方に顔を向けたが、ジェニーと見つめ合うとすぐ、つい顔を逸らしてしまった。照れや緊張のためではなかった。ジェニーの口の中で、銅板の舌が光った気がしたのだ。 | |||
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| 点 | 名前 | ||
| 2点 | 卓球部 | ||
| 1点 | 寺井 | ||
| 1点 | 夏のワルプルギス | ||
| 1点 | からすみうどん | ||
| 1点 | 机上で実演 | ||
| 2点 | 納屋の鍵 | ||
| 1点 | ニセ関根潤三 | ||
| 2点 | 少しだけ賢い | ||
| 1点 | 生命の輝き | ||
| 1点 | 空飛ぶタイヤ | ||
| 2点 | 優死 とれま | ||
| 4点 | 新大 | ||
| 4点 | さめ | ||
| 1点 | 奇淋 | ||
| 1点 | 板野 | ||
| 1点 | アガリブル | ||
| 4点 | モモス | ||
| 4点 | セパ博 | ||
| 2点 | ツイタチ | ||
| 4点 | たんじぇんと | ||
| 1点 | カービィ | ||
| 4点 | ドスケベ学習帳 | ||
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